2006-01-01から1ヶ月間の記事一覧

中沢新一「アースダイバー」

猛烈なスピードで変化していく経済の動きに決定づけられている都市空間の中に時間の作用を受けない小さなスポットが飛び地のように散在しながら、東京という都市の時間進行に影響を及ぼし続けている。 そういう時間の進行の遅い「無の場所」のあるところは、…

中沢新一さんの「アースダイバー」を読んでいたら、妙に地図を片手に街を歩きたくなり、その次に読んだ石持浅海さんの「水の迷宮」が水族館が舞台だったせいもあって、久しぶりに水族館に行きたくなりました。しかし、今の私は病気が完治していないため運動…

吉野朔美「犬は本よりも電信柱が好き」

本と、犬と、本好きの仲間に囲まれた日々を描く、コミックエッセイ。犬は子供の時にかまれて以来嫌いなので置いておいて、それ以外はなんだかいいなあ、って思います。 ISBN:4860110374:DETAIL

宮沢賢治「銀河鉄道の夜」

ものすごく久しぶりということにはなっていますが、宮沢賢治の作品を腰をすえて読んだのは、実質始めてといってもいい私です。実際に読んでみると今まで自分が抱いていたイメージと実際の内容とにかなりのギャップがあり、結構新鮮な発見がありました。特に…

伊坂幸太郎さんの「魔王」、吉野朔美さんの「犬は本よりも電信柱が好き」、キャラメルボックスの「賢治島探検記」、更には先日の池澤夏樹さんの講演会と、ここのところ私の行くところ行くところにどうも宮沢賢治がでてきます。自分で勝手に思っていることな…

es[エス]

人間というのは、ある環境に置かれてしまうと結構あっけなく適応してしまい、その立場や組織を口実にして、自分の悪意や暴力性を平気で正当化することが出来る恐ろしい側面を持っている、ということを否が応でも考えさせてくれる作品です。実話をモデルにし…

劇場公開された時からずっと「ヒトラー最期の十二日間」を見たかったので、こまめにレンタルショップに行っているのですが、やっぱりというか、案の定というか、ずっと貸し出し中でなかなか借りることができません。あまりにも借りれないので、いっそ買って…

小川洋子「博士の愛した数式」

自分が記憶を持っているということ。それは、自分自身が存在することを証明する手段の一つなのかもしれません。この作品の博士のように、17年前から80分の記憶しか持つことができなくなってしまったとしたら、本当は17年間の時を過ごしているのに、そ…

CREED「GREATEST HIT」

CD

今更にはなりますけど、クリードの解散は本当に残念なできごとでした。無理だなあ、と思いながらも来日を願っていたのですけど。初回特典のDVDが欲しくて買ったのですけど、アルバム未収録曲やライブ音源もないので、オリジナルアルバムを持っていると本…

OCEANLANE「Kiss & Kill」

CD

以前から人に薦められていて、買おう、買おうと思っていたのですけど、やっと買えました。美しくもちょっと気だるい感じのメロディーがいいですね。 ASIN:B000BDJ2K0:DETAIL

ものすごく久しぶりにCDを買いにタワーレコードに行きました。しばらく入院していたこともあり、少し変わったところに行くと、すぐ頭に「久しぶり」という言葉が入ります。それがある意味新鮮である半面、思った以上に病状の回復のペースがあがってこない…

土屋アンナ「Hpppy Days」

お世辞にも、文章自体は上手いとは言えませんし、内容的にも自分の好きな事や周りのことを語り散らしているといったもので、読んでいる途中で「構成も何もないだろう」、と言いたくなってしまいました。けど、それが良くも悪くも「らしさ」というものがよく…

土屋アンナ「Tast my best」

CD

ASIN:B0009VEC8G:DETAIL

Spin aqua「Pieces」

CD

ASIN:B00009WKW8:DETAIL 個人的にはこちらの方が好きです。バックもしっかりしているし、意外な拾い物でした。

下妻物語

ASIN:B0002X7IXC:DETAIL 主演の深田恭子や、土屋アンナのはまり役ともいえる演技ももちろんですけど、それ以上に、随所で笑わせてくれるストーリーと、細かいショートフィルムをつなぎあわせたようなアイディアあふれる演出が面白かったです。

最近、好むと好まざるとに関わらず土屋アンナづいているなあ、って思います。そもそものケチ(?)のツケ始めは、土屋アンナファンの人間にそうとは知らずに「下妻物語って思ったより面白かったねえ。特にヤンキー役やっている土屋アンナがいいねえ」と言っ…

ピーターパン

本当に、たまたま借りていたのですけど、確かに物語の組み立てというのが星の王子さまとかなり共通した部分がある、と一人で納得してしまいました。ところで、ピーターパンよりもフック船長の肩をついつい持ちたくなってしまうのは年のせいでしょうか。 ASIN…

サン=テグジュペリ「星の王子さま」

先日講演会に行ったあとで、もの凄くひさしぶりに読んでみました。以前読んだ時には、「肝心なことは目に見えない」とか、大人になるとかえって本当に大切なことは見えなくなってしまう、といったことをおぼろげながら感じただけで、その上今となっては細か…

ここ何日か、読みかけの本や、見かけのDVD、聴きかけのCDなどをまとめて片付けていました。そもそもが、なんでもかんでも中途半端状態にしていた自分が悪いのですけど、本当なら自分の楽しみのためにしていたことが、段々と「終らせなければいけない」…

池澤夏樹さんの講演会のメモより

先日行った池澤さんの講演会の詳細についてです。あくまでも、私のメモに基づいたものですので、内容が若干異なっていたり、メモし切れなかった部分があったりしますので、その辺についてはご容赦ください。なお、テーマは「星の王子さまを読む」です。<星…

池澤夏樹さんの講演会に行く

池澤夏樹さんの講演会に行こうと思い読んでいた「異国の客」もようやく読み終わり、「よし、後は当日会場にいくだけだ」と思っていたら、あいにくの雪。今回の講演会はとことん一筋縄ではいかないなあ、とぼやきながらも、会場の青山スパイラルホールまで行…

池澤夏樹「異国の客」

「自分にたりないのは知識よりもむしろ常識だ」、と思う今日この頃ですが、じゃあ、常識って何だろうって考えてみると、意外にあやふやな言葉だなあ、ということに気が付かされます。住んでいる場所、属している共同体、信じている宗教や信念…そういったもの…

川上弘美「東京日記 卵一個ぶんのお祝い」

基本的には日記なのですけど、ちっとも日記らしくない日記です。三日続けて野菜のオクラの話が出てきたり、一年ぶりに行った池袋に何故か立て続けに出てきてみたり。普通日記というのはその日一日に起こったことを語りつくすものなのですけど、この日記で語…

入院してから変わったことというのは随分とありますけど、そのなかの一つに以前より雑誌を読むようになったことがあります。半分、仕事の関係というのもあるのですが、病院で絶対安静の状態が結構長く続いたので、やることもなく退屈で仕方なく、かといって…

昨日、半年以上ぶりにはてなアンテナを整理していたら、芥川賞と直木賞の結果が早くも出ていて、ダイアリーにもかなり書き込みがあったのにはびっくりしました。入院していた時には携帯もパソコンも使えなかったので困ったことになったなあ、と思っていたの…

伊坂幸太郎「魔王」

考えろ、考えるんだ、マクガイバー 戦前の日本やドイツがいい例だと思いますが、ベクトルがある一方向に向かった時に、そこに引きずられてゆく大衆心理というのは恐ろしいものがあります。そのなかで「自分だけは違うんだ」と思いながらも、気が付いたら思考…

先日日記で書いた通り、講演会に行くために、池澤夏樹さんの「異国の客」を読んでいたら、作中に本を整理するくだりがあり、「そういえば自分の本棚もかなり悲惨なことになっているな」ということに今更ながら気付き(正確に言うと気付かなかったフリをして…

コヨーテ No8

結局、旅というのはどこに行ったのかよりも、そこで何をして、何を見たのか、ということが大切なのではないでしょうか。沢木耕太郎さんの「深夜特急」を読んでいると、そんな気持ちからか、旅の中や日常で、自分が今まで一体何を見てきたのだろうか、という…

本人もすっかり忘れていたのですが、以前申し込んでいた池澤夏樹さんの講演会の招待状が送られてきました。「Coyote」で沢木耕太郎さんの深夜特急の特集があったので読んでいたら、そこにたまたま池澤さんの講演の記事があり、「面白そうだなあ」って…

森達也「悪役レスラーは笑う」

「ドキュメンタリーは客観的な事実の積み重ねではなく、主観的な作業である」というスタンスで、既存のドキュメンタリーとは一味違った切り口から作品を発表している森達也さん。今回は、力道山が活躍した時代のプロレスで、稀代の悪役レスラーといわれたグ…