土屋アンナ「Hpppy Days」

お世辞にも、文章自体は上手いとは言えませんし、内容的にも自分の好きな事や周りのことを語り散らしているといったもので、読んでいる途中で「構成も何もないだろう」、と言いたくなってしまいました。けど、それが良くも悪くも「らしさ」というものがよくでていてかえってよかったのかもしれません。きちんとした形式ばった文章より、土屋さんの自分に正直に、めいいっぱい生きているといった感じがでていていいです。それと、好き勝手やっているように見えて、実は人一倍淋しがりやで、繊細なのかなあ、という気も。だから、生まれてきた子供に人一倍の愛情を注いでいるのでしょうね。見かけがそう見えないだけに、人からはなかなか理解されずに誤解されている部分っていうのも多いんだろうなあ、って思うと、世代や性別といったものを超えて、彼女に共感できる部分が多かったです。
こういう機会がないと、普段、育児関係のエッセイなんてなかなか読む機会がないんですけど、久しぶりにこうした本を読んでみると、「母親っていうのはやっぱり強いよなあ」って、つくづく思いました。
ISBN:4396612583:DETAIL