SePT独舞Vol.16 矢内原美邦「さよなら」@シアタートラム

基本的に始めに脚本ありきの舞台が好きなので、コンテンポラリーダンスと呼ばれるものは今回始めて観ました。勉強不足で良く分からなかった部分はあったのですけど、とても楽しかったです。
独舞ということだったので、もっとソロで踊るシーンが多いのかと思っていたのですけど、途中でダンサーが入ったり映像が使われていたりして、「果たしてこれが独舞なのかな」という疑問は感じましたけど、ダンスだけでなく、音楽、照明、映像、衣装、舞台芸術など全ての部分がよくできていて総合芸術といった趣がありました。
矢内原さんの今回のダンスってものすごく女性的でキュートなのですけど、ある瞬間急に男性的な力強さがダンスの中に入ってきます。それが切り替わったり混ざり合っている時にダンスに違和感があるのですけど、一方で体の表情に豊かさもものすごく感じます。それがとても面白かっただけに、贅沢をいうともっと矢内原さんのソロパートをもっとじっくり観たかったとは思いました。
ストーリーらしきものがあるにはあったのですが、私自身はあまり理解できなかったのですけど、特に手を振っているシーンとかは別れのせつなさが雰囲気が分からないなりにも伝わりちょっとしんみりとしてしまいました。
惜しかったのは、席が端だったせいで、アングルによって舞台上の絵が時折自分の視界から切れてしまったことです。奥行きのある作品作りが、逆に災いしたように感じました。中央で観ていたら、ものすごくいい絵だということが想像できるだけに、ちょっとだけそれが悔しかったです。当日券ではなくて、早めにチケットを購入しておけばよかったと後悔しました。こうなってくると3月のニブロールの本公演の方も観てみたくなってしまいます。