KKP#5「TAKE OFF」@本多劇場

土曜日に行った公演の感想になります。
急遽、キャストが村上淳さんから変更になったので正直かなり心配だったのですけど、代役で入った自転車で一人旅をする青年役のオレンヂさんも含めて、飛行機オタクのエリート会社員役の小林賢太郎さん、一本気で大雑把な大工役の久ヶ沢徹さんそれぞれの配役が見事にハマっていました。ストーリー的にはものすごく大雑把に書くと、一見全く接点のなさそうな3人がふとしたことからビルの屋上で出会い、存在するはずのないと思っていたライト兄弟の飛行機の図面をもとに皆で飛行機を作っていく、という話しです。知的で繊細でひ弱なイメージの小林さんとガサツで豪快なイメージの久ヶ沢さんの息がぴったりの掛け合いが絶妙でしたし、その真ん中に入ってオレンヂさんが2人のいがみあいを止めようとしつつ、結局2人がかりでいじられるという図式が面白かったです。基本的なコントの枠組みやギャグの数々は結構ベタでお約束な笑いが多いのですけど、「ここできたら面白い」という絶妙なタイミングでボケや突っ込みがくるので大笑いしてしまいました。ラーメンズも含めて小林賢太郎さんのお芝居をナマで始めて観たのですけど人気があるのも分かるなあって思いました。DVDやビデオで観たラーメンズのライブのイメージから、かなり話しを作り込むのかと思っていたのですけど、今回の公演ではストーリーの大枠をある程度作っておいて、その中でアドリブや細かいネタをこれでもかという位詰め込んだような印象がありました。中盤の方はストーリーもかなりグダグダになっていたような気がしましたけど、これはこれで面白かったです。
これは私の個人的な意見なのですけど、今回の公演では舞台の完成度よりもお客さんをどこまで笑わせてやろうかということに力を入れていたように思いました。途中、結構シリアスになったりしんみりしたりするシーンもあるのですけど、そんな場面でもあくまで笑わせようとする彼等3人の徹底した姿勢にはすがすがしささえ感じました。
行く前は、私みたいないちげんにはちょっと敷居が高くなるのかと思ってしたのですけど、会場の雰囲気がものすごく良くて、そんな空気が役者さんにも伝染したのか演技にも気合が入っていたような気がしました。最近行っていたいわゆる「普通のお芝居」とは少し違いますけど、リラックスした気分で楽しく観れましたし、こんだけ笑ったのは久ぶりだと思えるくらい笑わせてもらいました。