辻村深月「凍りのくじら」

語り口や人称の使い方など、細かい部分でしっくりとこない部分があったものの、私達が当たり前のように読んでいたドラえもんや藤子さんの作品にこんな素敵な読み方があるのかと気付かせてくれた作品です。ヒリヒリと刺すような痛みを感じる文章と、難しいテーマを扱いながら、安易な結論に逃げ込まなかった作者の粘り強さが感じされる作品でした。去年読んだ「僕のメジャースプーン」に始まって、今回のこの作品。好きな作家さんが一人増えそうです。
ISBN:4061824589:DETAIL