ワイルド「サロメ」

最初に読み終わった時には、個々の登場人物の肉付けもあまりなく、物語自体もあっけないくらいあっという間に終ってしまったので、「戯曲の古典って本で読むとこんなもんなのかなあ」って思いました。ただ、内容を整理するために人間関係を図に書いてみたら、プロットも含めて結構入り組んでいて、実に上手く交通整理ができていることに気が付き、この戯曲に対する評価が一変しました。その後、もう一度読み返してみると「よくここまで」という位、不要な部分だけをギリギリまで削ぎ落とした話しだということがよく分かりました。
仮にこのまま演じたとしたら、上演時間が中途半端に短くなるということもあり、この戯曲を忠実に上演するということはほとんどないかと思いますけど、題材やプロットそのものは、後の多くのお芝居に影響を与えただけのことはあると思いました。
ISBN:4003224523:DETAIL