12人の優しい日本人

リアリティという部分には乏しいのですけど、これはカオス状態を作りだすためにわざとやっているのでしょう。シチュエーションコメディとしては、なかなか面白かったです。他人の命が掛かっているのに、思い込み一つでどうしようもなく自説に固執したり、人の意見一つで自分の意見が容易に変わってしまう。そんな人間の身勝手さと、その身勝手な人間の意見を一つにすることの難しさ、そういったことがコミカルに描かれていて面白かったです。ところどころセリフ回しややり取りが不自然さや、登場人物の人物像が必要以上にディフォルメされていると感じた場面がありますけど、おそらくはもともとは舞台を前提にして脚本が書かれていたからだと思います。そう考えると、この作品って映画で見るのも悪くはありませんけど、それよりも舞台で見た方が絶対に面白いんでしょうね。
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