沢木耕太郎さんとカップヌードルについて

読みかけの本をやっと片付けて、沢木耕太郎さんの「路上の視野」を読んでいたら、インドに旅行中にカップヌードルを食べたくだりが出てきて、それが妙に美味そうに感じてしまい食べたくなって仕方がなくなってしまいまして。実は私、以前はカップヌードルのヘビーユーザーだったのですが、運動制限の他にも食事制限があったため、入院して以来半年以上カップラーメンを食べていません。別に、食べてはいけないという制約はなかったのですが、カロリーの上限が決められているために、カロリーの高めのものは出来るだけ食べないようにしていたからです。
沢木さんの文章の中では、「カップヌードル」が「Cup Noodle」と書かれているのですが、このアルファベットで書かれた「Cup Noodle」という言葉の響きに、理由もなくたまらなく食欲を刺激されてしまったようです。
そこで、カップヌードルを買いに、我が家の近くの生協のカップ麺のコーナーに行ったのですが、そこで見つけたのは、「Cup Noodle」ならぬ「Coop Noodle」。どうやら、コープと日清食品とが共同開発した商品で、味はカップヌードルとほとんど変わらないのに、値段は安いという優れものです。一瞬これでもいいかとも思ったのでけど、私が食べたいのはあくまで「Cup Noodle」。初心を思い出してないかどうか探してみると、コープヌードルが置いてあるちょうど二つ下の棚に発見。しょう油味、カレー味、シーフード味の三種類あり。三種類のカロリー表示を比較して一番カロリーの低いシーフード味を買い物かごの中に放り込む。あとはレジに向かうだけ、と思っていたらレジの直前にあることに気が付く。それは、シーフードヌードルのパッケージのロゴが「SEA FOOD NOODLE」となっていたこと。「俺が食いたいのはカップヌードルなんだよ!」と心のなかで叫びながら、慌ててカップヌードルのロゴが書かれているしょう油味と取り換えて買う事にしました。
しかし、買った後に気になってしまったことが沢木さんの作品では「Cup Noodle」となっていて、CとN意外のアルファベットは小文字で書かれているのに対して、商品のパッケージのロゴは「CUP NOODLE」とすべて大文字になっていたところ。沢木さんの作品が書かれたのが1980年ごろなので、もしかしたらその間にパッケージが変わったのではないかと思い、日清食品のホームページを調べてみました。すると、カップヌードルのロゴについては

1970年、日本万国博のシンボルマークを作った有名なデザイナー、大高猛さんによってデザインされました。発売以来全く変わらないこのロゴは今なお新しく感じられます。

との事。たかがカップヌードルと、思っていましたけど、いろいろあるんですね。因みに半年以上ぶりに食べたカップヌードルの味は格別でした。海外に長い間行っている人間が、純粋な和食よりも、むしろカレーやカップラーメンが食べたくなることが多い、というのは何となく分かるような気がしました。

話は全く変わりますけど、昨日の日記で紹介できなかった本があったので、一冊。