苅谷剛彦「知的複眼思考法」

常識にとらわれず、物事を見る見方。自分の力で考えて、それを論理として積み上げていく方法。それが、自分自身の視点からものごとを多角的に捉えて考えていく、知的複眼思考法。全国3万人の大学生が選んだ日本のベストティーチャーが、そうした基本的な考える力をつける思考法を、筋道に沿って説明してくれているのが本書です。自分は常識を一方的に疑う能力だけは、自信があるのですが、筋道だって考えたり、論理を積み上げていくのがまるっきり苦手だったので何かヒントになったらと思って、読みました。
正直は感想は、「ヒントにはなったけど、すぐには役にたたない。」何故なら、この本に書かれているのは、あくまでも「虎の巻」ではなく、「訓練法」だからです。確かに、この本の通りの訓練法を実践すれば、論理的にはかなり力がつきそうです。ただ、私にとっては実際に行うには、ストイックなうえに、時間がかかり過ぎる。ですから、自分にとっては、本書のエッセンスを上手く活用する程度になり、考える力は余りつかないでしょう。ただし、「レポートを書く時にどうやって問題を発見して、課題に対してどのようにアプローチするのか」を真剣に考えたい人には、おすすめです。季節的にも、四月から大学に入学する学生さんとかにはいいテキストになるのではないでしょうか。
isbn:4062566109:detail