いとうせいこう×奥泉光「文芸漫談シーズン2」@北沢タウンホール

参加するのもこの日で6回目なのですが、今回に限っては行こうかやめようかかなり悩みました。それは日程的な問題ではなく、今回のテキストはデュラスの「愛人」だったため。前回の最後で「苦手」と言っていた奥泉さんではないのですが、あらすじを読んだ段階でこんな機会でもない限り、私にとってはおそらく一生読む機会が訪れることはないに違いない作品で、読むまでは奥泉さん以上に苦手意識を感じていた作品だったからです。
まあ、これもいい機会かと半分諦め混じりに参加することにしたので読んでみることにしたのですが、最初こそ取っ付きにくかったものの、読み進めていくうちに、それが「こりゃあ、かなりすごい小説だ」ということをつくづく実感。時代を超えて読み継がれていく作品の強靭さえに敬意を払いつつ、今更ながらの自分のタチの悪い食わず嫌い癖を改めて反省する今日この頃。
ということを感じた方が私以外にも多かったせいか今回の文芸漫談は、いつもよりお客さんが少ないように見受けられたのですが(2人とももっと少ないと思っていたと言っていましたが)、だいたい会場の6〜7割位の入り。普段より1〜2割位少なめだったと思います。ただ、それにも関わらずいつも以上に作品の新しい見方を発見することができ、自分でも予想以上に実になる部分が多かった今回の漫談。自分が読んでいた時に感じた靄がかったような漠然とした違和感を随分と上手く言葉にしてもらったように思います。作品に対する思い入れか、特にせいこうさんがいつも以上に作品について熱く語っていたのがとても印象的でした。

この漫談の話についてはもうちょっと書きたいことがありますので、後日もうちょっと加筆するつもりです。