海堂尊さん講演会@丸善丸の内本店 3F 日経セミナールーム

日曜日に講談社ブルーバックスの「死因不明社会」を記念しての講演会&サイン会に行ってきました。内容的には本に書かれていることを分かりやすくダイジェストにした感じで、質疑応答を含めて1時間10分位でした。全体的に本の内容から逸脱していないので、新しい発見というのはあまりなかったのですが、自分にとっては本の内容を頭の中で整理するにはいい公演でした。個人的には公演の内容そのものよりも語り口や公演の組立て方が面白かったです。話を聞いている時に疑問に感じたことを、理詰めで潰していくさまは、語り口こそかなりソフトですが、まるで海堂さんの小説に出てくる人気キャラクターの一人、ロジカルモンスター・白鳥のようで、マジメな話なのに聞いている途中にちょっと笑ってしまいました。
今回の講演の対象になった本では、解剖率の低さ(全遺体の2パーセント弱。ミステリーで「解剖の結果は」という前に事件が終ってしまうことの多さには怖さを感じます)を補うための手段としてAiを提案しています。このシステムを国家の予算から供出することをこの本では主張していますが、私個人は例えばはっきりとした死因を知りたいという保険会社と遺族との利害が一致すれば、生命保険の中に組み込むことも可能なのでは、お役所だけでなくこのシステム案外民間の方からの方が広げやすいのでは、と話を聞いているうちに素人考えながら感じました。