西島大介「土曜日の実験室」

短編漫画と批評エッセイが入った作品集です。読み終わるまでの所要時間、漫画20分強、批評2週間弱、感想についてはそのことが全てをもの語ってくれるような気がします。同じようなことを伝えようとしている時でも漫画のほうは理屈抜きで面白いのに、批評の方が理屈っぽすぎてつまらない、書いている人間は同じなのにどうしてこうも違うのだろうかと思ってしまいました。文章で語りたいことを語ろうとすると冗長でとげとげしくなってしまうのが、漫画になると絵のおかげでいい感じで言いたい事がコンパクトかつ隙間がでできる上に、可愛らしいキャラクターのおかげで毒っぽさも中和されるからなのかなあと思いました。
ですから、この本に書かれた批評文を読んでも、そこで取り上げられたものについてはただ一つの例外を除いて、見たいという興味がまったくそそられませんでした。ちなみに、その唯一の例外はシベリア少女鉄道で、次回公演のチケットがそろそろ発売になるそうなので、どうしようか少し悩んでいます。
ISBN:4900785342:DETAIL