大極宮トークショーに行く

抽選で当たったので、護国寺講談社の講堂で行われた大極宮トークショーに行ってきました。私事になりますけど、本当に久ぶりに、まさかこういう形で講談社に行くとは思いませんでした。一体、何年ぶりになるでしょうか?
電車の乗り継ぎがスムーズに行き過ぎて、予定より少し早めに着いてしまったのですけど、開場前にも関わらずもうすでに100人以上の人が並んでいました。たまたま抽選で当たってしまった私とは、みなさん気合の入り方が随分と違います。
1時半開場の2時スタートだったのですけど、時間的には3人(大沢在昌さん、宮部みゆきさん、京極夏彦さん)のトークが約1時間ちょっとで、そのあと来場していた人からの質問コーナーが30分弱で、だいたい1時間半位でした。朗読会とか行ったことがないのでこの3人が絡むのは始めて見たのですけど、作品もキャラクターも違うのに馬鹿話になると妙にいきがぴったりでこんなにしゃべりの面白い人達だとは思いませんでした。ただ、話しの内容的には京極さんが「なんの役にも立たない」といっていた通り、大沢オフィスの内輪話や、編集者いじり(特にK川書店の某名物編集長)、作家いじり(特に北方謙三さん)、その他プライベートネタ満載の「面白かったけど、話しが内輪すぎて聞いてもほとんど何にも役に立たない」ことばかりでした。これで仮に金取っていたら「もう少しまじめにやれ」と言いたくなるところですけど、あくまでもファンサービスの一環で抽選で招待というということを考えると、まあこの三人の話が聞けただけでも良かったですし、ざっくばらんな分、作家さんの普段の素顔が見えて「まあ、これはこれでありかなあ」って思いました。質問コーナーの時に結構地方から来ている気合の入ったファンの人達が結構多かったことには、「3人のコアなファンってやっぱり多いんだなあ」と改めて感じました。
大沢在昌さんが3人の中ではやっぱりリーダー格で話題を振ったり、色々と2人に突っ込みを入れていました。肉声を始めて聞いたのですけど、低い方によく響くいい声をしているなあと思っていたら、そこから「昔から声優をやりたかった」という話しになり名探偵コナンで声優をやった時の裏話しなどが聞けて面白かったです。因みに北方さんや出版社の編集さんいじりをしていたのは、ほとんどこの人です。
つっこみ役の大沢さんに対し、どちらかと言えばボケ役に当たるの京極夏彦さんでしょう。天然なのか作っているのかは分かりませんけど、少なくても私達凡人とは違う回路の持ち主で、大沢さんとは違う意味で面白かったです。映画・妖怪大戦争でプロデュースをした時のエピソードや水木しげるさんの話しややっぱりこの人らしいと思いましたし、ボケながらも所々に博覧強記さや頭の回転の速さを感じる受け答え見られ、そこらへんは京極さんの小説の中に出てくる登場人物達の姿が垣間見えるような気がしました。
大沢さんと京極さんの真ん中に立って、終始穏やかなムードを作り出してしたのが宮部みゆきさんです。宮部さんお得意のゲームの話しとか、カラオケの話しなど、普段の日常についての話が一番多かったように思います。本当にファン思いの方だなあ、と思った反面、2人の間に立っているように見えて、話題の最後に美味しいところを結構持っていってしまっているところを見ると、ほのぼのとした雰囲気だけではない、したたかでちゃっかりした部分が2人のせいで引き出されてしまったように思えました。冒頭で宮部さんが「異常気象女」という話をしていましたけど、来る時は快晴だったのが家に帰るころになって本降りになってしまいトークショーで話していた通りになってしまった時には、カバンの中に沢木耕太郎さんの読みかけの「危機の宰相」のサイン本が入っていたので本当に笑えなかったです。

因みに3人の気になる新作の刊行予定ですけど、トークショーの話しによると、大沢さんの「新宿鮫」シリーズの最新刊が今年の9月の予定、宮部さんの「ブレイブ・ストーリー」の4巻が来年の3月の予定で、京極さんの「京極堂シリーズ」についてはまだはっきりとしたメドが立っていないとのことです。
ただ、京極さんの場合、去年出版社の勇み足で刊行予定がないにも関わらず、発売案内をしてしまい大問題になったという事もあるので、仮にメドが立っていたとしても、はっきりと確定するまではオフレコ状態になってしまうのは致し方ないことでしょう。