ゴールデンウィークが明けてからというもの、人事異動の関係もあって、職場や取引先で初対面の人と会う機会が多く、人見知りの気がある私としてはいささかつらい日々を過ごしています。特に会話のとっかかりが見つからずに場が持たなくなり、沈黙に耐え切れずにどちらからともなくとりとめもなく無理やりしゃべりだす、そこから会話が上手く広がっていけば問題がないのですが、いつもそう上手くいくわけでもなく、喋っている方も、聞いているほうも話しが広がらなかった時の気まずさと言ったら言葉では言い表わせないものがあります。
そんな失敗をしてややへこみがちだったある日の夜、R.E.M.の「GREEN」というアルバムを聴いていたのですけど、その中の「POP SONG 89'」という曲の「天気の話しをしようか、それとも政治の話しをしようか〜」(歌詞は英語なので訳は大雑把です)というフレーズが自分の頭の中でひっかってしまい、アルバムのその曲だけ何度も繰り返し聴いてしまいました。自分のなかでこの曲のどこにひっかかったのか?この曲はもともとはそういうあたりさわりのない中身のない会話しかできない人達や、内容のない歌詞を書くミュージシャンを揶揄した曲だと思っていて、いままでは自分もそんな会話をするような奴だけにはなりたくないと思っていました。ただ、天気や政治のようなありきたりな話題というのは、会話のとっかかりとしては一番てっとり早いのではないのか?自分のなかで引っかかって部分というのはどうやらそこの部分だったようです。翌日から、その2つの話題にサッカーのワールドカップハリーポッターの話しなどを混ぜながら、何とか場を持たせるようにやり繰りしています。
例えばこれが海外のある国のようにいつも晴れていたり一年中雪が降っていたりすると、天気の話題も「いわずもがな」か「またか」ということになるのですけど、日本という国にいる限りは、天気の話題にこと欠いて困るということはどうやらなさそうです。普段は当たり前だと考えていた日本の四季も、なるほど馬鹿にできないものだと改めて感心しました。