記憶は自分でもままならない

どこかで、博物館の展示の案内を見て、面白そうだから行こうかと思っていたのですが、どこの博物館だったのか思い出せそうで、思い出せませんでした。自分の人生にとっては別に大したことでは無いのだから、と思いつつも、思い出せないという事実になんだかすっきりしない日々を一週間位過ごしました。入場料と、物凄く大雑把な場所は覚えていたのですが、肝心な場所とどんな展示だったのかが、もう少しで出て来そうな気はするのですが、困ったことにどうしても分かりません。
それが、今日何故か新宿周辺を買い物が終ってぶらぶらしていたら、突如、思い出しました。その時は刺さった小さな棘がぬけたような、頭のモヤモヤがはれるような、何だか少しすっきりした気分になりました。気分が少し良くなった私は、この勢いで早速見に行こうと思い、黄色い電車に乗り、総武線飯田橋駅で降りました。ところが、場所を物凄く大雑把にしか覚えていなかったのが良くなかったですね。おかげで、散々歩いた挙句、場所が分からずあわや道に迷いそうになり目的地にはたどり着けませんでした。ちなみに、博物館の名前は、印刷博物館といいます。
結局、あまりにも情けなかったので、帰りに水道橋のウインズに行き、NHKマイルカップの前売りを買って家に帰りました。「この時間は一体なんだったのだろうか」とむなしさを感じたのと同時に、「思い出すということが、必ずしもいいことばかりではない」ということを感じました。今度は、ネットできちんと調べてから行くことにします。
ただ、負け惜しみになりますけど、地図を持たずに東京を歩くと、今まで見たことない景色や、一本の道が、思わぬ場所につながっている驚きが体感できたりして、逆に面白いことがあります。ですから私は、時間が許す限りは、出掛けるときにはあえて地図を持たないようにしています。