冲方丁「カオスレギオン01 聖双去来編」

マルドゥック・スクランブル」の続編に当たる「マルドゥック・ヴエロシテイ」がいつまでも出る気配がないので、読み始めています。ゲームのノベライズだと思っていたので、今まで読まなかったのですが、ゲームのノベライズに当たるのは、シリーズ一作目に当たる「カオス レギオン 聖戦魔軍篇(富士見ファンタジア文庫)」のみで、後は、作品の世界観を生かしつつ、独自のストーリーを展開しています。内容的には、死者の軍団を呼び寄せる力を持つ、「レギオンジークと彼の従者達が、かってのジークの無二の盟友で、ジークを裏切り、時の権力者に背いたドラクロワを追うために諸国を旅しているさなかで、起こった出来事を描いています。今作がシリーズ三作目に当たります。それほど、奇抜なところはないのですが、ジークやドラクロワの過去や、従者のノヴィアの成長物語を絡めながら、王道ながらも骨太で、読んでいて熱くなるストーリーには好感が持てます。ライトノベルの読者だけでなく、しっかりしたファンタジーが読みたい人にもおススメです。
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