最近の書店について

久ぶりに、新宿の書店に行ったら、マイシティの山下書店がいつの間にかなくなり、ルミネのブックファーストがリニューアルオープンしていてびっくりした。どうも、世の中の流れに乗り切れていないなあと、反省。ブックファーストの場合、以前あった、青山ブックセンターから、しばらくレイアウトが変更になっていなかったので、いつかはやるだろうとは思っていたので、まあ今更といえば、今更なのでしょうが....。個人的には、以前の青山のレイアウトって、結構好きだったので残念といえば、残念。店舗効率を考えれば、確かに今みたいな店舗のほうがベターなのでしょうけど。
今回の、ブックファーストのリニューアルを見て何の脈絡もなく思ったのが、POSというのは、極めて、資本主義的なシステムなんだなあ、ということ。すなわち、販売効率を考えて、売り上げデータの上位から品揃えをしていけば、同条件の立地だったら、データ上位から沢山の商品が陳列できる書店が勝利者になっていく、という構図になっているということです。要するに、「資金力のあるもの=勝者」という図式が存在しているということです。もっとも、厳密に言うと、同条件の立地など、実際には存在しませんし(近い条件の立地ならあるでしょうけど)、POSが「売れた」データであり、「売れる」データではないので、いくら「売れた」商品を置いても、その本が欲しい人に行き渡ってしまい、もう「売れる」商品でなくなっている可能性がある、という問題もあります。更に、いくら店舗規模を大きくしても利益があげられなければ意味がありませんから、資金力があっても、店舗を大きくできることには限界があります。最近,大都市で行われている、書店の大規模出店の背景の一つには、こうしたこともあるのかなあ、と思います。「欲しいと思った本がいつも置いてある本屋」か、「欲しくなる本を探すことができる本屋」か、どちらがいいか。それは、その人の好みの問題でしょうし、本を買う目的によって変わるでしょうから、一概にどちらがいいと言い切れる問題ではないでしょう。ただ、最近は後者より、前者の書店さんが増えているような気がします。